アドア

「神様」

朝刊を読む目をあげて、直クンは今日も唐突に言った。「ねねねね、心の中には、とても美しいキラキラとしたカタマリが収まっているんです」 僕が「なにか新聞に書いてありましたか」と聞くと、直クンはんんーんとハミングしてから、一気に続けた。 「いや思…

「幸せ」

世界中の人が幸せそうにニコニコしているのを想像してみる。でも、これじゃあまりに抽象的だから、北海道に住む、お父さんとお母さんがニコニコ暮らしているのを想像する。あるいは、福岡に住むお父さんとお母さんが、ニコニコしながら暮らすのを想像する。 …

「三日月」

電車通勤を始めて3年あまり経った。今日もいつも通り、日比谷駅で乗り替えた千代田線は、常磐線各駅へ乗り入れる。約一時間半弱の通勤時間とはいえ、一回だけの乗り換えと、いわゆる“逆方向”のおかげで、駅から自宅まで歩く元気は確保している。 ただ、少し…

「真理」

PS2で真三国無双をしていた直クンが、とつぜん言った。 「人間って、生まれた時からすでに真理を内蔵してるんです。だから、自分の外側の真理に出合っても、それがすぐに真理だとわかるし、きれいで美しいものを見れば、ああ美しいと思うんです。じゃない?…

「占い」

直クンの誕生日で、占いのメールマガジンを登録している。 「今日のあなたは、やりたいことをきっちりとなしとげることができるでしょう。いつもの忍耐と努力を発揮してみてください。必ずそれに値する結果が出るはずです。毎日の自己管理を怠らないようにし…

「三味線」

三味線の糸が切れたので買いに行った。お店の人に「ご入用は?」と聞かれて、あわてた僕は思わず「しゃ、三味線のガットをください」と言ってしまった。 三味線って、ガット? ストリング? それともただの糸? 本当はなんて呼べばいいのか。

「カエル」

直クンは、さっそく届いた真三国無双をやり倒して、土曜日一日を呆然と過ごしてしまい「あ〜なんだか、とっても無駄な一日にしてしまった」と言う。 日曜の予定を確認すると、直クンが会社の行き帰りに、いつも気になっていたカエルを引き取りに(買いに)行…

「ヘッドフォン」

音楽を聞く。通勤途中だからヘッドフォンで聞くことが多い。3つのヘッドフォンを気分で使い分けている。 一番のお気に入りは、アイワのインナーイア型。コードが短くてかさばらないのがよい。で、何を聞いてもものすごく大きな音なので、プレーヤーの音量は…

「夢」

悲しくて目が覚めた。夢を見て、その夢が悲しかった。 次の日、直クンに聞いてみた。「昨日の朝、僕は寝言を言ってませんでした? それも絶叫系の」「いや。まったく熟睡していたので、気がつきませんでした」「あの夢だったら、きっと大きな声で寝言を言っ…

「ブリトニー」

カワイイ女の子を見ていると、ドキドキする。カワイイってのは、見ているこっちが、こっそりドキドキさせられちゃうことかも。 ブリトニー・スピアーズのベスト盤が出ると聞き、これはもう、CDじゃなくて、DVDを買うしかない!と思った。買った。で、職場のP…

「月」

通勤に1時間あまりかかるので、その間に音楽を聞いて本を読んでメモを取る。そして、少なくとも一日に2つのことを考える。 一つは、職場のイヤな人をどう避けるか工夫したり、部下や上司にどんな風に気に入られようか案じたり、あの人にどうセックスを持ち…

「右利き?左利き?」

仕事柄、調査書(大学入試とかで使う、高校の先生に作ってもらう、あれ)の封筒を封印しながら気がついたこと。僕は調査書本体へ『割印』を押すときは右手で、封筒に『緘印』(封筒が開けられていないというしるし)を押すときは左手で押していた。 なぜその…

【登場人物、設定】

僕: 黒髪が肩まであるストレート、眼鏡あり。具体的で直接的な言い方を好み、矛盾がきらい。批判的な面と優柔不断な面がある。プロポリス愛用。過去に友人とレイプの経験。(ダブルミーニング) 直クン: 同居人。赤めの短髪、コンタクト。もりが日常思いつく…

「日記を始めました」

今日は特別な日ではないけど、僕にはアドアに日記を書き始めた日となった。 mixiとかはてなとかアメブロとか、いろんなブログを眺めていると、みんなよく次から次へと書くことがあるなあと感心する。 僕はこの日記を職場から書いている。職場で個人的なこと…