「超」怖い話Ρ(ロー)|松村進吉|竹書房文庫|2010/09/20-10/02
|P223|自|5
初めて超怖を読みはじめた時のゾワゾワ感がやや蘇る
- まえがき
- (P2)慣例どおり全三十話中、【お祓い済み】の話など一篇もございませんので
- 薄墨
- (P14)あのようなものを同じ建物の中で見た以上、他の部屋だからといって安心はできなかったし、何よりあの女の指の動きが、彼の頭から離れなかった。どうも、文字を書いていたように思うという。それは、きちんと思い出そうとすれば再現できるくらい、網膜にハッキリと焼き付いているのだが──同時に女の姿そのものを思い描くことにもなるので、難しい
- 探す人
- (P15)目と鼻と耳に五寸釘が突き刺さった女
- 膝落ち
- (P20)六階建てのマンションから膝立ちした男が浮いて来る
- 湿る部屋
- (P35)浴槽から這い出ようとする、全裸の老人──斑網膜の肌。その斑紋は、全て動いている。うな垂れた顔は見えない。その首筋にも、毛の薄い頭頂部にも、柳葉の形をしたナメクジが這っている。〈はぁぁぁぁぁぁぁぁ……〉大きく息を吐いて、クッ、と老人は力を抜いた
- ロケット花火
- (P36)中学宿泊訓練での、体育館裏の音
- 深夜番組
- (P45)テレビに昔の自分の部屋、さらに見知らぬ男が笑顔で映る
- 急な相談
- (P48)五、六年前に死んだ、中学の頃の同級生から電話
- 廃車
- (P53)廃車の中に4人、うち一人は自分
- トンネル
- (P59)男女八人でトンネル
- 山拾い
- (P72)山の上で軽装の双子
- 美容
- (P82)が、一瞬、別人だろうかと疑った。安部さんの肌はまるで「生春巻きの皮みたいに」生気のない透明感で覆われ、顔全体が、丸く肉付いていた。明らかに何かの病を患っているようなのに、外見はふっくらしている。一種の不健康美とでも言おうか──俄かには形容しがたい雰囲気であった
- ある訓練
- (P87)幽霊が見える練習
- 指摘
- (P98)塀に滲み込む人影。その位置に⇒
- 裏側
- (P102)額縁の背板の隅に女の絵
- 縦穴
- (P109)坂の中腹のマンションは霊の縦穴
- 忌橋
- (P120)学校の裏門に小さな橋
- 放送終了
- (P130)視界が砂嵐
- 水痣
- (P131)臨月の頃に事故に遭った記憶
- おじいちゃん
- (P135)生前は温厚だった祖父
- 上位のもの
- (P140)犬の鳴き声と獣臭。小袋の中の陶製犬
- 野良達の祠
- (P145)祠の撤去で失明
- 情動
- (P150)トイレ内で誰かの手を握りしめる
- 怖かった夜
- (P154)小さな人影に転ばされ、浮かんだ人影が身体の上に落ちてきた
- 連れて帰る
- (P159)子猫のウルルが気配を追い払った
- 挨拶
- (P177)姿見を鏡面の内側から叩く
- 持ちネタ
- (P178)競艇で自殺したタクシーの運転手
- 手紙
- (P182)実家を手伝って欲しいという、母からの手紙
- あの子はもう泣かない
- (P187)事故死した妹
- ひと粒で二度おいしい
- (P197)彼女が、霊に取り憑かれた俺とセックスしたがった
- 毒舌と斜視
- (P208)悪口を言いふらしていたら、ガチャ目で写真に写るようになったらしい