「超」怖い話 怪福|久田樹生|竹書房文庫|2010/08/11-10/14
- まえがき──銭魂
- (P3)目の前を、古銭が歩いていた。それも、人の背丈ほどはある巨大な寛永通宝である。しかもそいつには、人の手足が生えていた。それらを振り振り、通りを
闊歩 している - 機縁
- (P7)大居氏の知人中井川の話
- 端緒
- (P8)会社の同僚中井川の離婚後の新居でバンバン音
- 行動
- (P12)中井川の家でお祓い
- 疑念
- (P15)中井川の奇行と異変
- 隔意
- (P20)大居氏の家にとた、ずーが現れる
- 忌避
- (P24)中井川の不思議な現れ方
- 慚愧
- (P27)中井川の家で何かに肩を掴まれる
- 結論
- (P32)中井川が何者かに連行されているのを見た
- 吃驚禍福
- (P35)
- オーバー・ザ・レインボウ
- (P36)息子から発した光が虹となった
- 二つの茶わん
- (P40)青い女の子が妻を踏みつける
- アラザン
- (P43)水槽から飛び出た泡が空中で銀色の粒となった
- アラザン
- (P43)ケーキやお菓子に使う銀色の砂糖粒
- 幸福のシャープペンシル
- (P45)社会人になってからあの幸運のシャープペンシルに再会した
- 仏飯
- (P48)金色がマークシートの間違いを教えてくれた
- まもり
- (P51)まもりちゃんの髪の毛をお守りにした
- 姑側
- (P54)亡くなった夫が、嫁の生霊を追い払った
- 付き合う相手で その1
- (P63)ヒモの首に青い細い紐のような痣が浮き出る
- 付き合う相手で その2
- (P70)鼻をすすり上げながらサドルに跨ったとき、背中に何か柔らかいものが触れた。驚き振り返る寸前、頭の後ろから何かの囁きが聞こえた。優しげな女の声だと思った。何を言っているのか理解できない。だが、心の底から安心できる雰囲気を纏っている。それが何故なのかは全くわからない。声は「もう大丈夫」だと言っているようだ
- にくづきにかなめ
- (P73)ぎっくり腰で動けなくなった時、〈あまり肉〉を掴まれた
- あーん、あーん
- (P75)部屋に現れた幼稚園児は、自分だった
- 疑心
- (P79)坂の頂点で、クミは我が目を疑った。熱気に揺らぐ道の上、向こうから見覚えのある人物が歩いてくる。黒のプリントTシャツに、デニムのホットパンツ。団子にした頭。自分だった
- まおちゃ
- (P81)真っ赤になった部屋に現れた女の子
- 驚いた
- (P84)お守り袋が破裂した
- なんなんさー
- (P85)土手の横穴に小石が積まれている
- きれい好き
- (P90)神棚を掃除する
- ダイエット その1
- (P92)幼い声と過剰な膨満感
- ダイエット その2
- (P95)〈しね、しね〉と靴で腹を蹴られる
- どうして
- (P101)黒髪に白髪が混じっていた
- どこまでも
- (P103)寿退社最終日に平面的な人
- アンタッチャブル
- (P109)ファミレスのヘンな家族
- メイク その1
- (P114)翌日、自分も彼女も眼科に行く羽目になった。何故なら、両目が真っ赤に充血したからだ。h
- メイク その2
- (P115)引き出しの奥から山下さんの手が出てきた
- スモーカーズ・フェイス
- (P120)友人に重なった老人の顔を写メできなかった
- 千野
- (P123)鏡の中から風水師千野の顔がはみ出てきた
- 夢にまつわるエトセトラ
- (P132)手にした液晶のバックライトに顔が照らし出される。彼氏だった。彼は、部屋の入り口近くにある電灯のスイッチを入れる。デートのときよく着てい服だった。が、手には、大振りのナイフを持っている。「殺してやんよ」笑いながら、ぽつりと呟いた
- コンサート
- (P139)夢の中で眠りこけたら殴られた
- 友人
- (P144)『〜明日も頑張らないと。○今日も優が来ている あ 山 る し ら ま ぱ か 』
- 憧憬
- (P147)喜美香先輩の隠し撮り
- ぼろぼろ
- (P153)真由子と美佳と、そして恵子のタイムカプセル
- 告白
- (P156)高二のチナツの告白
- ピアッシング
- (P161)赤いピアスで運が悪くなる
- ストラップ
- (P166)『もしもし。息子が死にました』携帯の向こうでは、同じ内容の言葉を何度も繰り返している。一度切って、掛け直します──そう告げようとしたとき、再びあの大きな音が轟いた。『勝が墜落死をしゴシャヌシャベシャニュシャル……ブツッ』直後、通話口を擦ったような雑音が混じり、唐突に通話が切れる
- 恋愛相談
- (P168)元カレのコウイチに連れ去られた
- 結果報告
- (P174)〈清い身体〉と穢れた身体
- 四十六
- (P177)真希子さんの話
- 六歳
- (P178)欄間を透かして巨大な面
- 八歳
- (P181)欄間の目が〈よしや〉
- 十四歳
- (P183)迎え火に四組の足が見えて〈よしや〉
- 二十二歳
- (P186)カーテンが波打って〈よしや〉
- 二十六歳
- (P190)息子の希が欄間の真下に転がって〈よしや〉
- 三十一歳
- (P196)斑の卵
- 三十八歳
- (P201)小さな紙袋の中に陶片とメモ
- 四十二歳
- (P206)フィリピン系の女。息子の口から〈よしや〉
- 四十六歳
- (P214)息子から、〈よしや〉って何か聞かれた
- 笑門来福──あとがきにかえて
- (P216)金色に輝く姑さんが笑門来福と書いた