Q&A|恩田陸|幻冬舎|2008/06/23-06/25

Q&A|P309|自|5
説の枠組みを形作る事実提示を最小限度に絞って構成する

笠原久芳
(P3)38歳、東都日報東京本社編集局社会部記者。姉夫婦と食事。旭が岡ショッピングセンターMで火災発生あるいは有毒ガス。自転車。犬がMの店のほうを向いているよう。母を探しに行く中年女性。中学校の体育館が救護所。死者69人、負傷者116人
外岡淑子
(P31)41歳、都内の商社で事務。笠原久芳の姉。左腕骨折。蝉を食べる人。万引きをする夫婦、「悔い改めなさい。我々はあなたがたに許す機会を与えてあげているのです」と言って銀色の金属を取り出す。二週間後に新潟の川から遺体。職場の上司と不倫
内田修
(P58)71歳、年金生活者、精密機器メーカーで技術者。孫の工具セット。死臭。小太りの中年男、白っぽい野球帽に肩まである茶髪、黒っぽいセーターに暗い緑色のズボン。踏み潰した紙袋から黄色い液体と刺激臭。恐怖臭。まだらボケの妻
麻生沙耶佳
(P85)小学校六年生。ソフトボールのチームで昼食。里香ちゃん、美歌ちゃん、笑ちゃん。においで気分が悪くなった。コーチの車に乗っちゃいけない。コーチも父も胸を触りたがる。ママがファンだった歌手の子供と同じ名前。南ちゃんのママ
田中徹也
(P102)39歳、Mの顧問弁護士。事件当時の警備センターの録画を見る。録画の内容に触れない。全部の階で一斉に逃げ出す。三、四歳くらいの子供が持っていた赤っぽいもの。逃げる客の視線。六年前に別れた妻
女性
(P129)脚本家、放送作家。眼の前のMが電波を遮って携帯が通じない。「メタもサイコも消化したからね、日本人は」。締め切りを過ぎたシナリオ。神様。おっきな誰もいない白い家
女性
(P156)「心のサロン」週3日、元N食品営業。血のついたぬいぐるみ。奇跡的に助かった娘。圧死した義母。被害者の会。利殖商法、寸借詐欺。小さいお寺を買い取りぬいぐるみを本尊
男性
(P180)消防署レスキュー隊員。一人っ子だった。父と母の突然の死。帰宅できなくなってカウンセリングを受ける。静かで明るいMの店内。血塗れのぬいぐるみを引きずった子供。原因不明、集団パニック、人類を殺す手段。事件から三週間後。妻と子供を殺す
男性
(P206)大学生。旅行サークルにできた『都市伝説を歩く』部会。店内の防犯ビデオの映像。公衆電話本体の側面。犬が吠えずMの方を向いてじっと座ってた。携帯電話が圏外。お寺の小さな女の子の像。ツアーの発起人。被害者の連絡会を支援してるNPO
男性
(P233)タクシー運転手。左右の肩を手で払ってください。PTSDに関する聞き取り調査。影が揺れる。影に顔が見えた。異分子を投入して集団の動きを調査する。おかしな政府陰謀説を吹聴させないように処分
男性
(P259)タクシー運転手の友人。外岡淑子と話す。新規開店。リセット願望、素敵な誰かを待つ。サバイバー、犯罪被害者の会。虫かご
少女
(P284)生き残った少女。お城の絵。ウォッチャー、サバイバー。原理派と福音派の分裂