東京伝説9 冥れる街の怖い話|平山夢明|竹書房文庫|2008/06/12-06/13

東京伝説 冥れる街の怖い話 (竹書房文庫)|P221|自|5
にできないネタがあるとすれば、カブっているかありきたりかとてもひどすぎて書けないか

ねむるじいちゃん人形
(P19)カモ曰く、老人の穴の奥には細長く硬いものがあって、それを撫でると笑うのだという。「こう首のほうまでその硬いのがあって、あとは周りにぶよぶよ柔らかいものが水を入れた風船みたいに詰まってる。その隙間に手を入れるんだけどね。一個だけ、いつもどくどく動いている袋がある。硬めで筋肉っぽいやつ」
傷屋
(P35)男はペンチを取り出すと片岡さんの小指を挟んだ。「よいしょ」軽いかけ声と共に指がぺきりと鳴り、逆の方を向いた。血が一気に噴き出し、爪が床に落ちた
キムチおやじ
(P42)中には白くて赤く染まった野菜の葉が詰まっていた。「キムチの白菜に似てたって……」男はそれを指先でひとつまみ引きずり出すと厭がるキョーコの顔の上にぶら下げた後、猿ぐつわの穴の中にぽとりと落とした
ぶっかけご飯
(P65)ミツヨはそれに少量の醤油を垂らすとご飯にかけて食べる。「いわば、卵かけご飯の要領だよな」
たまご屋のおじさん
(P183)主人は明美さんの掌に<ころす>と書いていた。気づいた彼女が顔色を変えるとひと言。「しゃべれば」とだけ告げ、そこで戻ってきた母親に深々とお辞儀をすると出て行った