カラマーゾフの兄弟4|ドストエフスキー、訳:亀山郁夫|光文社古典新訳文庫|2008/04/28-05/24

カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫)|P700|自|5
容濃すぎてついてけなくなった。この巻で、というかこの終わり方でいいのだろうか

プロトニコフの店
(P10)広場からさして遠くないプロトニコフの店の近く:(P281)証人
アンナ・クラソートキン
(P10)今は亡き役人クラソートキンの未亡人(P12)子ども(コーリャ)が自分を「ほとんど愛していない」のではないかという考えにだけは、どうしても耐えることができなかった(P19)何度もはげしいヒステリーの発作にみまわれ、それが数日にわたって断続的につづいた
ニコライ(コーリャ)・クラソートキン
(P11)「ママっ子」とひやかす(P11)算数と世界史にかけては教師のダルダネロフにも「負けない」(P15)レールのあいだに横たわった(P20)鉄道事件以後、彼はこの点にかんしても、すっかり態度を変えてしまった(P21)この犬(ペレズヴォン)を恐ろしくしごき、ありとあらゆる芸当を仕込んだ(P46)ひとことで通じないことをいちいち聞き返されるのが、ぼくは嫌いな性質(たち)なんでね(P57)なんといっても苦にしていたのは、自分の背の低さで、「醜い」顔のほうはそれほどでもなかった(P75)コーリャは、アリョーシャにすこぶる満足していた(P78)『ジューチカが生きているのに見つからないとしたら、そいつら、そろいもそろってどがつくあほうってことさ』(P86)だが、コーリャはもうイリューシャの枕元に立っていた(P103)ガチョウ事件(P112)《あの沈黙はひょっとすると軽蔑の沈黙かもしれない》とコーリャは考え、すっかり腹を立てた(P204)この町に男の子が一人いてね、その子は列車が通過中、レールのあいだにずっと横になってたんですって。運のいい子だわ!
ダルダネロフ
(P11)教師(P17)まださほどの年でもない独身の男だったが、クラソートキン夫人に、何年にもわたって熱烈に恋をしていた
スマラグドフ
(P18)トロイの建設者のことは、父親が遺してくれた書棚のスマラグドフの『世界史』を読んで知っていた(P110)スマラグドフの本は、コーリャ以外だれも持っていなかった
ペレズヴォン
(P21)毛むくじゃらでかなり大きめの汚らしいこの犬は、ひと月ほどまえ、コーリャがどこからかいきなり拾ってきたものだった(P33)番犬ぐらいの大きさの毛むくじゃらの犬で、毛は灰色がかった紫色をしていた。右目がつぶれ、左耳にはどういうわけか切れ込みがあった(P88)スラブ的な名前でしょう(P90)「これは……ジューチカだ!」
イリューシャ
(P21)スネギリョフ二等大尉の息子(P38)ぼく、肺病だと思うんですよ。意識ははっきりしてるけど、ほんとうに息が苦しそうで、ちゃんと息ができないんです(P59)「イリューシャの具合がひじょうに悪いんです。まちがいなく死にます」(P140)コーリャと父親(スネギリョフ)の二人をあらんかぎりの力で抱きしめ、彼らをたがいにひとつに抱きあわせると、自分もそこにしがみついた
医師夫人
(P22)医師であるその夫は、最初どこかオレンブルグのほうに行き、それからタシケントに向かったまま消息を絶って、およそ半年が過ぎていた
カテリーナ
(P23)アガーフィアのたった一人の女中。急に出産することになった
アガーフィア
(P23)クラソートキン夫人の女中(P33)クラソートキン夫人の女中で、年は四十前後、でっぷり太り顔にはあばたがあった
アナスタシア(ナースチャ)
(P24)医師夫人の娘。八つ(P27)カテリーナの赤ちゃんがどこから来るのか
コンスタンチン(コースチャ)
(P24)医師夫人の息子。七つ(P27)カテリーナの赤ちゃんがどこから来るのか
スムーロフ少年
(P36)予備クラスに入っている少年。コーリャの二年下級(P78)スムーロフ自身、コーリャが今日の昼前にイリューシャの家に出かける決心をしたのを、前日まで知らなかった
ジューチカ
(P37)ジューチカは闇の彼方に消えたのさ(P60)あなたがたがみんな、ジューチカを望んでらっしゃることは知っていますよ(P64)そこで二人(イリューシャとスメルジャコフ)は、そういう(針を仕込んだ)パンのかけらをこしらえ、いまみんなが大騒ぎしている、例の毛むくじゃらのジューチカに投げ与えた
ゲルツェンシトゥーベ医師
(P39)イリューシャの往診(P82)往診の効果もほとんどなく、恐ろしいほど少年(イリューシャ)を薬漬けにするばかりだった(P266)病院でイワンをゲルツェンシトゥーベ医師とむかえたワルヴィンスキー医師(P271)門のそばで夕方あなたと交わしましたやりとりはすべて、医師のゲルツェンシトゥーベ先生と、予審判事のネリュードフさんに詳しくお話しして聞かせました
アレクセイ(アリョーシャ)・カラマーゾフ
(P39)こんどの件で不思議でならないのは、アレクセイ・カラマーゾフの役割なんだ(P58)僧服を脱いだ今、彼はオーダーメイドのすばらしいフロックコートを着込み、丸いソフト帽をかぶり、髪の毛はみじかく刈りこんでいた(P88)アレクセイ・カラマーゾフさまとごいっしょに、ごいっしょに、お越しになられたんでございますか?(P146)フェーニャにいろいろ問いただして、昨日から奥さま(グルーシェニカ)が何かしら大きな不安にとらわれ、とても心配そうにしていることを知った(P188)いくぶんぶっきらぼうな調子で、アリョーシャはさえぎった。不安といらだちが、いやましに彼を呑み込んでいった(P251)この「あんた」という呼び方を聞いて思わずぎくりとなった(P468)ところが、いざ蓋をあけてみると、被告人の実の弟としてはごくあたりまえな道義的信念のほかに、何ひとつ証拠をもっていなかったのである
ラキーチン
(P43)人間のほうがはるかに愚劣なことが多い:(P121)(コーリャは)ちょっとしたきっかけでラキーチン氏とよく話をするようになりました(P153)ひょっとしたらあのラキーチンがけしかけているのかもしれないわね(P178)じっさいにこれが、だれの仕業かおわかりになって? あなたのお友だちのラキーチンさんよ(P215)ラキーチンは、とくに最近アリョーシャと顔を合わせるのを嫌ってまともに口もきかず、挨拶も、どことなくぎこちなかった(P442)この裁判をきっかけに、ラキーチン氏ははじめてみずからの実力を発揮し、広く世に知れわたるにいたった
マトヴェイ
(P44)コーリャが口から出任せに言った名前
トリフォーン・ニキーチチ
(P49)架空の人物
サバネーエフ
(P49)クジミーチェフ(クジマ)んとこに勤めてた
アレクセイ・イワーノヴィチ・チヂョフ
(P51)背高のっぽでさ、鼻水ずるずるやってさ
ニコライ・スネギリョフ二等大尉
(P55)スネギリョフ二等大尉の住まいまでのかなり長い残りの道のりを、二人(コーリャとスムーロフ)はおたがいろくに口もきかず大急ぎで歩いていった(P79)おとぎ話や滑稽なひとくち話を聞かせたり、たまたま出会った面白おかしい人々のものまねをして見せたり、ときには、動物たちのへんてこな吼え方や鳴き声をまねて聞かせてやった(P135)ぺこぺこお辞儀するような調子に腰をかがめ、最後のひとことを聞き出そうと彼(医者)を引きとめた(P447)彼(スネギリョフ)は、ぼろぼろのよごれた服に泥だらけのブーツを履いて現れ、事前にあれほど注意し、「鑑定」までしておいたにもかかわず、完全な泥酔状態にあることがにわかに判明した
トゥジコフ
(P56)コーリャの友達。年下
パーヴェル・スメルジャコフ
(P64)召使の彼が、ばかなあの子(イリューシャ)に、ばかないたずらを教えこんだ(P257)スメルジャコフ犯人説のことだが?(P268)イワンの姿をみとめると、スメルジャコフは不審そうににやりと歯をのぞかせ、最初の瞬間は、怖気づいたような様子まで見せた(P269)好奇心もあらわに、平然とした口ぶりで問い返した(P313)顔つきがすっかり変わり、ひどく肉が落ちて、黄ばんでいた。目が落ちくぼみ、下まぶたに青い隈ができていた(P324)そりゃ、仮病を使ったんでございますよ。なにもかも、ぜんぶお芝居でした(P335)ぼくは二度、三度と打ちおろしました。三度めに、ぐしゃっと割れた手ごたえがありました。フョードルさまは、血だらけの顔を上に向け、ふいにどうっと倒れました(P398)部屋に入るなりアリョーシャは、一時間あまり前にマリアがアパートに駆け込んできて、スメルジャコフが自殺したことを告げた、とイワンに伝えた(P427)出廷しない証人
ニーノチカ(ニーナ)
(P80)イリューシャの姉で、足の悪いもの静かでおとなしいニーノチカ(P115)「お医者さまが来た!」(P141)肘掛椅子でしくしく泣いていた
ワルワーラ
(P80)イリューシャのもう一人の姉。だいぶ前にペテルブルグに出発した
アリーナ・ペトローヴナ
(P80)イリューシャの「かあさん」(P80)イリューシャのいる部屋の片隅にひんぱんに目をやり、何ごとか物思いにふけるようになった(P81)もしも彼らが来るのをやめたら、恐ろしく淋しがるのではないかと思えるほど、気に入ってしまった
カテリーナ(カーチャ)・イワーノヴナ
(P82)カテリーナがわざわざ手紙を書き、大枚をはたいてモスクワから招いたのである(P147)心配の対象は、やはり同じカテリーナだった(P158)あの人(ドミートリー)、あのカーチャのことで、今ごろ急にこんなことを言うのよ(P187)いえ、その、あなたじゃなくって、カーチャが。なんでもかんでもカーチャなのよね!(P248)(アリョーシャは)カテリーナとは、かれこれ一週間以上も会っていなかったのだ(P251)わたし、スメルジャコフのところに行ってきましたの……だって、あんたよね、あんたでしょう、父殺しの犯人はあの男だってわたしに言いきかせたのは(P303)「数学的に証拠立てる」ものとしてアリョーシャに話してきかせた、例の文書だった(P417)とくに指摘されたのが、彼女(カテリーナ)のプライドの高さ(彼女はわたしたちの町のほとんどだれの家も訪問したことがなかった)、「優雅な縁故」のことである(P473)彼女(カテリーナ)が法廷に現れたとたん、何かこれまでとちがった雰囲気がわき起こった
フェドートフ
(P91)ジューチカ(ペレズヴォン)を裏庭で見つけた
モローゾフ
(P97)役人。イリューシャの『マホメットの親族、または霊験あらたかなる愚行』という本と大砲を取替えっこした
ボロヴィコフ
(P100)火薬の製法。硝石が二十四、硫黄が十、白樺の炭が六の割合
ブールキン
(P101)ぼくたちこの火薬のせいでブールキンが父親にこっぴどく叱られたって話
ヴィシャニコフ
(P103)プロトニコフの店でいま配達係をやっている男
ネフェードフ
(P106)判事のネフェードフはにやりとした
コルバスニコフ先生
(P107)ひねたロバみたいに、やたらとみんなに当たり散らすんですよ(P107)あいつ(コルバスニコフ先生)結婚して、ミハイロフ家から持参金を千ルーブルせしめた(P114)古典はぜんぶ訳されているといった話、これと同じことは、コルバスニコフ先生が三年生のみんなに向かって自分から大声で言ってますよ……
カルタショフ
(P109)無口で、みるからに恥ずかしがりで、ひじょうに愛らしい顔だちをした十一歳(P111)「トロイを建設したのは、テウクロス、ダルダノス、イリアス、そしてトロス」少年はいちどにはっきりと答え、次の瞬間、顔を真っ赤にさせた
ホフラコーワ夫人
(P115)ホフラコーワ夫人が所有する馬車(P170)どういうわけか、片方の足が急に腫れあがったのである(P427)出廷しない証人
医者
(P115)熊の毛皮外套を身につけ、長く黒々した頬ひげをたくわえ、あごをつるつるに剃りあげた、なかなか押し出しの立派な人物だった(P135)ほとんど怒ったような、いかにもけがらわしいといった感じで、何かに触れて汚れるのではないかと、たえず恐れているようなそぶりを示していた(P352)脳に変調をきたしているとかいう診断を下し、イワンがいやいやながらおこなったある告白に少しも驚きの色を見せなかった(P452)もともとこの医学鑑定は、モスクワから著名な医師を招いたカテリーナの主張で特別に実施された
ベリンスキー老人
(P121)これと同じこと
フェーニャ
(P146)下女(P149)彼女(グルーシェニカ)はフェーニャを呼び、彼(マクシーモフ)に食事を与えるように命じた証言
アグラフェーナ(グルーシェニカ)・アレクサンドロヴナ
(P146)顔つきがすっかり変わり、頬はこけ、黄ばんだ感じになっていた。しかしアリョーシャの目に、その顔はむしろますます魅力的な感じに映り、部屋に入るとき、そうした彼女の目に出合えるのが心地よかった(P418)「ごくありふれた、まるで美人ともいえないロシアの町人娘」(P480)しばしば太った女にみられる歩き方で、軽く体を揺らしながら、じっと裁判長を見やったまま右も左もまったく目を向けることなく、足音もたてず、軽やかな足どりで証言台に近づいてきた
ドミートリー(ミーチャ)・カラマーゾフ
(P146)逮捕されてからふた月(P216)他人のものも忘れんなよ!(P220)『カラマーゾフ家の人間は卑怯者じゃない、哲学好きだ、なぜって、ほんもののロシア人はみんな哲学好きだからだが、おまえ(ラキーチン)は学は積んでも哲学好きじゃない。だからおまえは農奴だ』(P228)じつはこの二ヶ月間、おれは、自分のなかに新しい人間を感じてるんだ。新しい人間がおれのなかで甦ったんだよ!(P414)わたしが記述したもろもろの事件があった翌日の朝十時、この町の地方裁判所の法廷が開かれ、ドミートリー・カラマーゾフに対する公判がはじまった(P418)総じて、はっきりと述べることができるが、女性陣とうらはらに男性陣はこぞって反ミーチャ・ムードに支配されていた
マクシーモフ
(P148)宿なし老人(P427)出廷しない証人
ピョートル・カルガーノ
(P149)これ以上おまえの面倒は見切れないときっぱり申され、五ルーブルを恵んでくださいました(P200)あの人(カルガーノフ)ってそう、そのコマみたいなの。あの人のこと夢中にさせてくるくる回して鞭でぴしゃりぴしゃりぶってあげたい
マトリョーナ
(P150)グルーシェニカの料理番(P281)証言
クジミーチェフ(クジマ)・サムソーノフ老人
(P150)グルーシェニカの後見人である老商人
ムシャロヴィチ
(P155)ポーランド
パン・ヴルブレフスキー
(P155)ポーランド
フェチュコーヴィチ
(P161)弁護士(P419)彼(フェチュコーヴィチ)が弁護に乗り出した事件は、その後つねにロシア全土に知れわたるところとなり、長いこと人々の記憶に刻まれたものである
グリゴーリー・クトゥーゾフ
(P162)ドアは開いていたって言いはるし、見たといって譲らないでしょう(P236)グリゴーリーはおれ(ドミートリー)からすると、敵なんだ(P338)はっきり申しますが、あの人は人間じゃない、頑固な去勢馬と同じでございます
イワン・カラマーゾフ
(P164)ミーチャは自分でぼくに言ってたんですよ。イワンはいちども訪ねてこないって(P232)イワンはスフィンクスだ。何も言わない。いつも黙りこくったままだ(P249)カーチャの声にはあまりに命令的なひびきがあり、イワンは、一瞬ためらいを覚えたが、アリョーシャとふたたび二階に上がることにした(P253)そう言って彼(イワン)は毒々しく笑いだし、封も切らずにいきなり何重にも引き裂くと、宙に放り投げた(P263)イワンがスメルジャコフと話をしに出かけていくのは、これがもう三度めだった(P264)イワンは、ミーチャのことをほんとうに毛嫌いしていて、ときおり、それなりに精いっぱいの同情を感じることはあっても、そこには嫌悪の念にまで達するほどの、深い軽蔑が入りまじっていた(P276)《こいつ、もごもごしゃべってるが、話の筋道はなかなか立ってるぞ、ゲルツェンシトゥーベが言ってた精神障害とかいうのは、いったい何のことだ?》(P284)そのじつ彼は、狂おしいほどカテリーナを愛していたということだ(P308)にもかかわらず、公判が開かれる十日ほど前、彼(イワン)はミーチャのところへ出かけていき、脱走の計画を提案したのである(P348)わたしはここで、このときイワンが首尾よく目的を果たし、百姓を無事警察に担ぎこんで、ただちに医師の診断を受けさせ、そのさい、彼がそこでも気前よく自腹を切って「経費」を支払った経緯を、こまごまと描写するつもりはない(P397)イワンは窓に駆け寄ろうとしたが、とつぜん自分の両手と両足が、何かに金縛りにあったような気がした。彼は、渾身の力を振りしぼって鎖を断ちきろうとしたが、無駄だった(P486)イワンは、だれの顔にも目をやらず、うつむいたまま、まるで眉をひそめ何か考えごとでもしているように、驚くほどゆっくりした足取りで近づいてきた
ピョートル・ペルホーチン
(P170)この二ヶ月、ホフラコーワ夫人宅の数ある客にまじって、ペルホーチン青年が訪ねてくるようになっていた(P180)いつもとってもすてきな身なりをしているんです(P195)ホフラコーワ夫人は、部屋に入ってくるペルホーチン氏の姿をみとめると、ぱっと顔じゅうを輝かせて叫んだ証人
リーザ(リーズ)
(P171)リーザはつい昨日、彼(アリョーシャ)のところに使いの娘をよこし「とても大事な用事があるので」すぐ家に来てほしいと強く頼み込んできており、ある理由からアリョーシャはそれに興味をもった(P196)アリョーシャを出迎えるために動こうともせず、ただ刺すようなするどい目で、食い入るように彼を見つめていた。目のあたりがいくらか赤く腫れぼったい感じで、顔は青ざめ、黄ばんでいた(P203)以前にはどんなに「真摯な」瞬間にも、陽気なところ、冗談めかした感じが消えることがなかったのに、いまその顔には、からかい半分や、茶目っ気などはかけらもなかった(P207)わたし、ときどき、その子は自分が磔にしたんだって考えるの。男の子が壁につるされて、うんうん呻いている、で、わたしはその子の真向かいにすわって、パイナップルのコンポートなんか食べてるの(P212)アリョーシャが帰ると、すぐに、錠をはずし、ドアを少しだけ開いて、その隙間に指をはさみ、ドアをばんと閉めて、思いきり指をつぶした
ユーリア
(P174)ホフラコーワ夫人の下女(P194)ところがリーズったら、今朝、目を覚ますが早いか、ユーリアに腹を立てて、信じられます? あの子の顔をいきなりぴしゃってやったんですよ
グラフィーラ
(P174)ホフラコーワ夫人の下女(P192)わたし(ホフラコーワ夫人)が女中のグラフィーラに聞いてこのことを知ったのが、それの三日後なもんですから、わたし、いきなりショックを受けてしまって
ミハイル・マカーロフ
(P213)町の警察署長
クロード・ベルナール
(P219)いや、カールじゃなかった、ちょっと待て、間違えた、クロード・ベルナールだ(P235)そう、ベルナールなんだ! ただし、おれ(ドミートリー)の話なんてこれっぽっちも信じちゃいない
リザヴェータ・スメルジャーシチャヤ
(P228)スメルジャーシチャヤの臭い息子(スメルジャコフ)のことなんか、これ以上たくさんだよ!
フョードル・カラマーゾフ
(P234)『おれたちの親父のフョードル・カラマーゾフってのは子豚だったけど、考えたことはまともだった』
マリア・コンドラーチエヴナ
(P262)フョードルの死以来、病気でほとんど死にかけているスメルジャコフが、彼女たちのもとに身を寄せていた(P288)一方の部屋にはマリア・コンドラーチエヴナが母親と住み、もう片方の部屋には、スメルジャコフがひとりで暮らしていた(P312)玄関口でパーヴェル様(つまりスメルジャコフのことだが)はとてもお加減が悪く、横になっておられるわけではないが、まるで正気とは思えないご様子です、お茶を片付けるようにとまで言われて、口をつけようともなさいません、と耳もとでささやいた
ワルヴィンスキー医師
(P266)イワンの執拗な問いに対し、スメルジャコフの(てんかん)はうたがう余地のないものである、と断言(P272)つまり、あれはまさに、『おい、落ちてしまうぞ、いや、落ちないかな?』といった思い、まさにそういう、なんというか、疑い深さがもとで生じたものだ(P307)《いずれ発狂しますよ》
ネリュードフ
(P272)予審判事(P280)けっきょくのところ、かえってそれでぼく(スメルジャコフ)を弁護することになりかねないわけでごさいましてね(P583)尊敬するわたし(イッポリート)の同僚、俊才ネリュードフ予審判事が、あとからわたしに話してくれたことです
マルファ
(P280)マルファさんが、ぼく(スメルジャコフ)のことを忘れずにいてくださいまして、足りないものがあれば、これまで通りいろいろと親切に助けてくださいますもので
ロシア紳士
(P353)イワンの幻覚(P354)紳士は、その昔、農奴制の時代にわが世の春を謳歌した、旧地主階級に属する高等遊民の一人らしかった(P363)そう、どこかのでぶの、百キロぐらいの商家のおかみさんに化ける、で、そのおかみさんが信じていることを何もかも信じてしまうんですよ(P376)で、とうとう、密告まではやりだした。ぼくらんとこにも、とある『情報』を受けつける部署がひとつあるんですよ(P383)ぼくがきみのなかに投げ入れるのは、ごく小さな信仰の種にすぎませんがね、その種からは樫の木が育つんですよ(P391)なぜかといえば、きっとぼくがその秘密を知ったら問題の本質を察して『ホザナ!』を叫ぶだろうし、するとたちまちなくてはならないマイナスが消滅し、世界全体に分別が行き渡り、その分別とともに、当然のことですが、すべての終わりが来るからですよ
マッティ伯爵
(P370)ミラノに住む
コロフキン
(P381)イワンがひとくち話をこしらえ話してきかせた相手
イッポリート
(P419)検事(P420)われらが検事のイッポリートは、目の前の危険に意気阻喪するようなタイプの男ではなかったし、それどころか、危険が高まればそれだけ自尊心も強まり、意気軒昂となる男だったのである(P508)事実、彼(イッポリート)はその九ヶ月後、悪性の結核で死んでしまった
裁判長
(P421)彼の興味をひいていたのは、この事件の現象であり、分類であり、それをわが国の社会的基盤の落とし子、ロシア的な要素の特徴とする見方などである(P423)裁判長をつとめたのは、中背より低めで、ずんぐり太った、年は五十前後の、痔もちらしい血色の悪い男だった
ミウーソフ
(P427)出廷しない証人

(P432)「有罪に決まってるけど、人間性とか、いま流行りの新思想とか、新感情の点から無罪になるのよ」
(P526)彼(イワン)は、振幅の広い、カラマーゾフ的な気質の持ち主だからです