愛のない小説なんて、ク、クリープ

分だけが気がついたようなふりして「この小説のテーマはズバリ“愛”である」などとしれっと言える方は、まず古今東西の小説で愛が含まれていない小説の存在をまず証明すべきだ(逆説)。さて、いったい何を言っているかというと、金原ひとみ蛇にピアス』の吊り広告を見上げる人たちのこと。20歳の若者が書いたんですって、芥川賞最年少受賞ですって、すばるナントカも受賞って、同じ小説なのに二つも三つも賞もらってもいいのかしら、なんか不公平じゃない? 蛇にピアスするなんて痛そうな話だ、などとオヤジ情報誌優先で興味を持った中年46歳、その差、倍以上。そんなオヤジの広告用評価が“愛を喝破したぞオレは”じゃー広告として成り立つのかしら。好き勝手なことばっかり言ってゴメンネ。


ちじゃもっぱらトミやんトミやんって呼んでて、みんなに、ねえトミやんの『蛇ピー』読んだ? まだ読んでないのじゃああたしの貸しちあげー。ぜっ……たい面白いから、ぜっ……たい面白いって。読んだら返してね、ね。ぜったい返してよ。そういえば、『エースをねらえ!』もまだ戻ってないね。じゃ、じゃ、交換。交換しよ。『蛇ピー』と『エース』の交換! んもーどっちもあたしんだけどサ。まだ読んでないって、どっちかだけだよ両方ダーメー。人に借りまくるのかまわんけど、返さないはダメだっての。そんなに面白かったら買いなよ。ブックオフなら半額、あ、でもトミやんは新刊で買いなさい、中古は許さない。いいわね。トミやんはプロなんだから小説が売れないと生きてけないんだから、死んじゃうんだから。死んだらあんたのセイだからね。ところでトミやんていつ脱ぐんだろうね。もういろんな人が話題づくりに脱いでいるから、後は芥川受賞後初ヌード最年少!程度じゃないと話題性がないよね。トミやんにはぜひとも、小説界の林葉直子をめざしてほしいって、それなんか違っ!ていうか逆?