より理想的に





意識 的にリストし過ぎを重ねることで密度を増し
いつか自分が 内側へ 潰れるよう仕向けること
あらゆる過ぎた無意味と 有意味の過剰と 裂け目を復元すること


裂け目を塞ぎ過ぎる意味によって さらに 傷口 を拡げる


拡げた裂け目 を覗く


可視光線  ではなくて マイクロ波 で
過剰を欲求として 認知 するべし


生まれた子供を車の中へ置き忘れないように
窓ガラスに中が見えないほどの黒いシールを貼る
あるいは 中が見えないほど中身を充填する


裂け目 から覗く 肉


の裂け目のさらに中の肉


の裂け目に


わたしの背中が見えるのかもしれない
その背中もまた 大きく裂けている
しかしもともと 背中 などなかった
見える範囲に背中はない


顔だけがある


眠るとき重さを掛け布団にして 地面を敷布団にすると
背中をちきゅうから押された
わたしの背中の 後ろに背景がある
わたしは 一度も背景を見たことがない
背景は目の前にはない
振り向くとそれは目の前に見えた
実は それは背景ではなかったのかもしれない


あるいは目の前にある背中
裂けた背景を目の前に見る
目の前には裂けた背景しかない


裂け目を背景と呼んでいる












「喫煙席と禁煙席のどちらになさいますか?」
「あ、タバコ吸える方で」
「では喫煙席にご案内いたします」
「タバコが…」
「いらっしゃいませ。なにかお探しですか?」
「えと、下着はどこですか」
「肌着でしたら、あちらのコーナーにございます」
「下着はどこですか…」
「セットは、ライスとパンのどちらになさいますか?」
「んーと、ごはんにしてください」
「ライスは大盛りにいたしましょうか?」
「ごはんにしてください…」







否定する


否定するという 肯定


否定するとき否定は強力な肯定となる
そして肯定も肯定である
否定の清明さは 肯定よりも肯定的だ
裂け目を指し示すとき その指し示したことから漏れるものがない


指し示すことは世界のすべて
指の先に世界がある


指先で破裂する 風船の世界
風船を膨らませ満杯にする
風船は破れる 破れて飛び散る場所はない
破裂しなかった
風船を割る


外から割れた


風船は裂けたまま 静止を 制止し 生死を 正視する
高速度撮影を コマ送りで再生しながら ゆっくりと裂け目が拡がる
充満した風船の中身があふれる場所がない


それゆえ 意識的にリストし過ぎを重ねることで密度を増し
いつか自分が内側へ潰れるよう仕向けること
あらゆる過ぎた無意味と有意味の過剰と裂け目を復元すること
裂け目を塞ぎ過ぎることによってさらに傷口を拡げる




こと