山の霊異記 赤いヤッケの男|安曇潤平|メディアファクトリー: MF文庫|2010/08/04-10/15
- 序文
- (P4)日本は信仰の対象である山に登ろうとする
- 八号道標
- (P8)行き止まりの先で遭難
- キジ撃ち
- (P12)登山用語で「用を足す」こと
- アタックザック
- (P32)震える指で、怖々と次の写真をめくってみる。するとそこには、上半身までザックから抜け出し、前のめりになって地面に手をつき、いまにもザックから這い出してきそうな男の姿が写っていた。男の右腕は肘から先が千切れている
- 赤いヤッケの男
- (P34)赤いヤッケを着た遭難遺体を背負って下りる
- 山小屋の掟
- (P44)使われない扉がある山小屋
- 孔雀
- (P56)孔雀を探しに山に登ってきた女性
- 急行アルプス
- (P64)クロユリが群生する山の白骨死体
- 鏡
- (P72)鏡に自分の頭が映らない
- 究極の美食
- (P82)ドクツルタケを食べて自殺
- 笑う登山者
- (P94)稜線上を近づいてくる般若顔の男
- 追悼山行
- (P106)大学山岳部のリーダーが遭難した
- J岳駐車場
- (P116)登山口の駐車場
- カラビナ
- (P128)「山を楽しくやるコツはな」男が私の目を覗き込んで言った。「自分が楽しいと思う山の登り方を見つけることだ。山の登り方に優劣なんてのはない。確かにクライマーの持つ登攀技術は、花の好きな尾根歩きの登山者には真似ができないだろう。でもな、逆をいえば、花の好きな登山者が持つ山野草を見る目を、クライマーはこれっぽっちも持っちゃいないのさ」
- もうひとりの客
- (P132)ケルンを崩した石
鎌策婆 - (P144)鎌で草を刈る老婆
- ザクロ
- (P152)岩壁をやって滑落して命を落とした遭難者の霊の頭が、パックリ割れたザクロみたいに見える
- 残雪のK沢岳
- (P162)薄着の、妖艶で魅力的な女性
- ハーケンは歌わない
- (P170)ハーケンの乾いた音が聞こえてくる病院
- クライマーズ・センス
- (P182)“嫌な感じ”
- 荒峰旅館
- (P194)サナトリウム跡
- 銀のライター
- (P206)ライターを拾ってから、間違った経路をたどってしまった
- 暴風夜
- (P222)黄色いヘルメットを被りツルハシを振るう男
- ゾンデ
- (P232)遭難死した男の右の眉毛の上辺りにゾンデの先が刺さってしまった
- N岳の夜
- (P244)外からテントを押す手のひらと顔
- 霧の梯子
- (P252)頂上前の梯子で呼び止める声、女性の右手
- 猿ぼぼ
- (P264)松村の遺品の猿ぼぼ人形に命を救われた
- 牧美温泉
- (P282)女将とその娘。一年後の主人
- 解説:みなみらんぼう
- (P296)