カラマーゾフの兄弟5 エピローグ別巻|ドストエフスキー、訳:亀山郁夫|光文社古典新訳文庫|2008/05/25-06/17

カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)|P365|自|5
題の充実と再読の要求

アレクセイ(アリョーシャ)・カラマーゾフ
(P8)ミーチャの公判が終わって五日目の早朝、まだ九時前に、アリョーシャはカテリーナの家にやってきた(P56)アリョーシャの記憶に、そのときの光景が一気に浮かびあがった。なにかが、彼の心のなかで、ぐらりとはげしく揺れたような気がした
カテリーナ(カーチャ)・イワーノヴナ
(P8)カテリーナは、公判での例の騒ぎのあとただちに、意識を失った病気のイワンを自宅に移すよう手配した(P15)彼女は、法廷での自分の「裏切り」を苦しんでいたのである(P50)(イリューシャの)墓は、礼拝堂のすぐそばの柵のなかにあって、高価なものだった。墓代を払ったのはカテリーナだった
イワン・カラマーゾフ
(P8)隣の別室では、幻覚症をわずらっているイワンが、意識不明のまま横になっていた
ワルヴィンスキー医師
(P9)イワンの治療にあたったのは、ワルヴィンスキーとゲルツェンシトゥーベの二人医師だった
ドミートリー(ミーチャ)・カラマーゾフ
(P22)ミーチャをほかの囚人たちとの同室ではなく、以前スメルジャコフが入っていた小さな個室に収容した
アグラフェーナ(グルーシェニカ)・アレクサンドロヴナ
(P37)部屋のなかにとつぜん、足音も立てずにグルーシェニカが入ってきたのだ。だれも予期しないことだった
イリューシャ
(P40)それは、哀れな少年イリューシャの棺だった。少年は、ミーチャの判決が宣告された二日後にこの世を去った(P43)白いひだ飾りのある布に覆われた空色の棺のなかに、両手を組み合わせ、目を閉じたイリューシャが横たわっていた。やせこけた顔の輪郭はほとんど変わっていなかった。不思議なことに、遺体にはほとんど異臭がなかった
ニコライ(コーリャ)・クラソートキン
(P41)あなたのお兄さんは無実なんですか、それとも、ほんとうに有罪なんですか? お父さんを殺したのは、あなたのお兄さんなんですか、それとも下男なんですか?
ニコライ・スネギリョフ二等大尉
(P41)スネギリョフさんは酔っぱらってません
スムーロフ少年
(P42)「ほら、言ったとおりでしょう?」ふいにスムーロフ少年が声を張り上げた
カルタショフ
(P43)こう叫ぶと、少年はあのときと同じように、牡丹の花みたいに耳まで顔をまっ赤にさせた(P55)「スモーク・サーモンも出るんだって!」大きな声で《トロイの建設者》が言った
アリーナ・ペトローヴナ
(P43)「かあさん」は、痛む足をふんばってなんとか体を起こし、冷たくなった息子をもっと近くで見ようとしていた
ニーノチカ(ニーナ)
(P44)彼女はすわったまま死んだ弟に頭を押しつけて、ひっそりと泣いている様子だった
カルムイコワ
(P45)「あんなけがらわしい石のそばに葬るなんて、いったい何を考えてるんだい、首吊り人みたいじゃないか」家主の老婆がきびしい口調で言った