カラマーゾフの兄弟3|ドストエフスキー、訳:亀山郁夫|光文社古典新訳文庫|2008/01/09-04/28

カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)|P541|自|5
人死ぬ

ゾシマ長老
(P10)定められた礼式にのっとり、埋葬の準備がすすめられた
湯灌(ゆかん)
(P10)葬儀に際し遺体を入浴させ、洗浄すること
パイーシー神父
(P10)永眠した長老に対しては、これらすべての儀をパイーシー神父みずからが執りおこなった(P22)もうだいぶ前から周囲の異常な雰囲気を察しながらも、あえてそれに気がつかないふりをしていた(P30)パイーシー神父は朗読を中断し、一歩前に歩みだすと、何かを待ち受けるかのように立ちはだかった(P36)さっき庵室の入口につめかけた群衆のなかに、動揺する他の人々にまじってアリョーシャの姿があったことに気づいた(P106)パイーシー神父は一瞬、福音書から目を上げたが、青年(アリョーシャ)の身になにか不思議なことが起こったのを悟って、すぐにまた目をそらした
ヨシフ神父
(P11)追善の祈りが済むと、ヨシフ神父がすぐに朗読をはじめた(P24)こうして悪態をつく何人かにむかって「必ずしもそうとは限りません」と反論しかけた

(P11)なにかしら異常ともいえる前代未聞の「あるまじき」興奮と、せっかちな待望の念がにわかに生じ、時を経るにつれてそれがますます強まっていった

オブドールスクの修道僧
(P13)ひときわせっかちな様子(P28)この知らせを伝えるため、フェラポント神父のもとへわれ先にと駆けつけた一人
ラキーチン
(P13)ホフラコーワ夫人の特別の使い(P45)ふと木陰で地面につっぷし、まるで熟睡しているかのように身じろぎもしないアリョーシャの姿をみとめた(P60)グルーシェニカはラキートカと呼ぶ(P77)自分に関わるとなると、どんなことでもじつに敏感に理解できるラキーチンも、隣人たちの気持ちや感覚を理解することに関しては、ひどく鈍感だった
アレクセイ(アリョーシャ)・カラマーゾフ
(P14)(P16)しかしこの事件は、最終的には彼の魂に一種の節目なり転機なりをもたらし、ある目的にむけ、その理性をゆるぎないものにしたのだった(P43)彼が熱望していたのは正義、あくまでも正義であって、たんに奇跡だけではなかった!(P45)昨日イワンと交わした会話を思い出すと、何か漠とした重苦しい、悪い印象が、彼の魂のなかで今またふいにうごめきだし、それがますます力をおびて、魂の表面へ浮かび出ようとするのだった(P49)しかし、あとになってアリョーシャは、このことを何度か思い出すことになった(P51)「グルーシェニカのところに行きましょう」穏やかな口調で、アリョーシャはすぐに返事した

(P18)要するに、棺から少しずつ漏れだした腐臭は、時が経つほどにはっきりと鼻につくようになって

ヨブ長老
(P19)百五歳まで生きのびた。有名な苦行者であり偉大な斎戒行者、沈黙行者だった
ワルソノフィー長老
(P19)大修道苦行司祭(P26)「亡くなられたワルソノフィー長老からは、腐臭どころか芳香までただよっていた」
フェラポント神父
(P27)当のフェラポント神父が姿を現したのである(P30)両手を高々とさしあげると、フェラポント神父はふいに叫び声をあげた
アグラフェーナ(グルーシェニカ)・アレクサンドロヴナ
(P52)ソボールナヤ広場に近い、市内でももっとも賑やかな場所に住んでいた(P54)グルーシェニカが高嶺の花であり、この四年間、例の後見人の老人のほか、彼女のお気入りだと自慢できそうな男はだれ一人いたためしがない(P55)フョードル・カラマーゾフと組み(P314)彼女はささやき声で話しはじめた
モローゾワ夫人
(P52)屋敷の中庭にある、木造の小さな離れをグルーシェニカに貸していた(P53)グルーシェニカを借家人にうけ入れたのは、もっぱら彼女の公然たるパトロンで、親戚筋にもあたる商人サムソーノフのわがままにしたがっただけ
クジマ・サムソーノフ
(P55)男やもめの百万長者で、成人した息子たちには暴君のようにふるまう、けちな頑固者だった(P125)ごくたまに革張りの肘掛椅子から体を起こしては、老婆に両手を支えてもらいながら一、二回、部屋のなかを歩きまわっていた。この老婆といるときも彼は厳格で、ろくに口をきくこともなかった(P179)旦那さま、ちょっとプロホールィチのところに、用事がありましてね……
マトリョーナ
(P58)(グルーシェニカの)親の代から仕えている年寄りの料理女で、病気がちなうえに、ほとんど耳が聞こえなかった(P78)おとぎ話
フェーニャ
(P58)グルーシェニカの小間使い。年は二十ぐらいの若くてきぱきした娘(P180)「ああ、神さま、あの人、人を殺す気だわ」フェーニャは、両手を打ち合わせながら叫んだ
チモフェイ
(P94)御者。三頭立て(トロイカ)の馬車でグルーシェニカを迎えに来た(P239)ただチモフェイの話だと、二人はこの町の旦那だが、ほかの二人は、どっかからやって来た旅のお人とか……(P315)チモフェイの馬車でここ(モークロエ)に来る途中
ポルフィーリー
(P99)見習い僧
ドミートリー(ミーチャ)・カラマーゾフ
(P112)このとき、彼女(グルーシェニカ)の身に起こっていることなど何ひとつ知らずに、あいかわらず恐ろしく混乱し、金の工面に奔走していた(P114)ミーチャの立場からすると、自分を苦しめる問題はすべて「自分つまりミーチャかあるいはフョードルか」という二者択一からなっていた(P121)彼(ミーチャ)は唐突にも、グルーシェニカのパトロンである、商人のサムソーノフのところに行く肚(月土)(はら)をかためた(P124)いろいろ欠点があるにもかかわらず、彼はやはり、たいそう純真な男だったのだ(P162)ホフラコーワ夫人の家に向かった(P184)やがて、灌木の茂みまでたどり着き、その陰に身をひそめた。息を殺した(P189)ミーチャはもうわれを忘れて、ポケットからやにわに銅の杵を取り出した……(P311)《もしピストル自殺するなら、いまをのぞいてチャンスはない!》
老婆
(P125)この寝室で彼(サムソーノフ)の面倒をみていたのが、髪をスカーフにくるんだ召使の老婆と、玄関の間(ま)の長持ちのうえで待機している「若い衆」だった(P179)クジマ・サムソーノフの世話をしているいちばん年寄りの女中で、昨日ミーチャは、その老婆をとくに記憶にとどめておいたのだ
パーヴェル・コルネプロードフ
(P129)県庁所在地に住む弁護士
百姓ゴルストキン(リャガーヴイ)
(P133)チェルマシニャーの森林売買の話(P134)イリインスコエ村のイリインスキー神父のところに泊まっている(P142)スホーイ・ポショーロクの農家で泥酔状態だった
イリインスキー神父
(P134)ヴォローヴィヤの駅から十二キロ足らず入ったイリインスコエ村
ピョートル・ペルホーチン青年
(P159)かなり金持ちの役人であるこの若い独身男が、たいへんな武器愛好家(P201)それからきっかり十分後、ドミートリーは、さっきピストルを抵当に金を借りた例若い役人、ピョートル・ペルホーチンの家に入って行った(P234)道の途中、グルーシェニカが部屋を借りているモローゾワ夫人の屋敷のほうにくるりと行き先を変えた(P337)だがそれはフョードルの家ではなくて、ホフラコーワ夫人の自宅だった
マリア・コンドラーチエヴナ
(P160)フョードルの隣人(P182)マリア・コンドラーチエヴナの家の中庭には立ち寄らなかった(P360)そこでマリアが走り、署長の家にいた全員を驚かせた
ホフラコーワ夫人
(P164)ミーチャを待ち受けていた(P172)「問題は、金鉱にいらっしゃるか、いらっしゃらないか、あなたがすっかり決心されたか、そうでないか。数学的にお答えいただきたいんです」(P175)作家のサルトゥイコフシチェドリンに手紙を書いた(P177)先日もミウーソフさんから五百ルーブルお借りしたぐらい(P178)「あれ!」、ホフラコーワ夫人は仰天して叫び、客間のもういっぽうの隅まではじけ飛んだ(P344)わたしには生まれつきそうした能力がありまして、想像することがみんな、その通りになってしまうんですの
ベリメソワ
(P167)ホフラコーワ夫人の従姉妹
リザヴェータ・スメルジャーシチャヤ
(P183)リザヴェータ・スメルジャーシチャヤがその昔、ここの塀をよじ登ったことがあった(P357)《ああ、あのリザヴェータ・スメルジャーシチャヤのときと、まるっきり同じよう!》
パーヴェル・スメルジャコフ
(P184)どうやらスメルジャコフもほんとうに病気で寝込んでいる
フョードル・カラマーゾフ
(P185)フョードルはこれまでミーチャがいちども見たことのない、真新しいチェック柄のシルクのガウンを羽織り、やはりシルクで房がついた帯を腰に巻いていた
グリゴーリー・クトゥーゾフ
(P190)ちょうどそのとき、病に臥せっていたグリゴーリーが、ふっと目を覚ました(P192)「父殺し!」あたり一帯に轟くような大声でグリゴーリーは叫んだが、そう叫ぶのがやっとだった
マルファ
(P190)妻のマルファもひと口、相伴したが、もともと飲めるくちではなかった彼女は、夫の横で死んだようにぐっすり寝込んでしまった(P356)寝ぼけたままの状態で飛びおきた彼女は、無我夢中でスメルジャコフの部屋へ駆けこんだ
トリフォーン・ボリースィチ
(P246)プラストゥーノフ一族の旅籠屋の主人。成人した娘が四人
マクシーモフ
(P252)グルーシェニカの向かいに座る
ピョートル・カルガーノ
(P253)なかなかのハンサム青年で、またかなり若いカルガーノフが腰をうずめていた(P268)カルガーノフが声を張りあげた(P269)カルガーノフが、なにやら子どものように甲高い声を張りあげた(P269)カルガーノフは、急に子どものような声で笑いだし、ソファに倒れそうになった(P303)彼はほんとうに酔っ払って、一瞬、ソファにすわったまま寝込んでしまったのだ(P307)カルガーノフは怒り心頭に発した
ムシャロヴィチ
(P259)グルーシェニカの手に慇懃にキスをしてから明言した(P261)ソファに腰をかけているポーランド人を見て驚いたのは、その堂々たる物腰と、ポーランドなまりのロシア語と、何よりもパイプだった
パン・ヴルブレフスキー
(P262)もう一人のポーランド人。厚かましい挑戦的な態度で一同をながめ、無言の軽蔑を浮かべながら彼らの話に耳を傾けていたが、ミーチャが驚いたのは、ソファの紳士とはおそろしく不つりあいな、ばかでかい背丈だけだった
ホラ吹きのノズドリョーフ
(P271)ゴーゴリ『死せる魂』の登場人物
ピュロン
(P273)フランスの有名な小説家
サモワール
(P299)ロシアやイラン、トルコなどのスラブ諸国にて水を熱し沸かすため伝統的に使用されてきた金属製の容器
ステパニーダ
(P304)おてんば娘
ミハイル・マカーロフ
(P329)郡の警察署長(P350)文官七等に士官替えした退役陸軍中佐で、やもめ暮らしをするなかなかの好人物だった(P352)これは彼がとくに無能だからと言うのでは少しもなく、たんに能天気な性格に由来していたにすぎない
イッポリート・キリーロヴィチ
(P329)「結核を病んでるみたい」で小ざっぱりとめかしこみ、「いつもぴかぴかに磨き上げた長靴を履いている男」が、検事補だった(P352)町ではみなから検事と呼ばれており、この町では特別の人物だった
ニコライ・ネリュードフ
(P329)予審判事。若い、小柄でメガネをかけた男(P330)厳しい口調ながら、いくぶん慌てた感じで口を開いた(P353)二ヶ月前にペテルブルグから町に赴任してきた若い予審判事(P354)町のご婦人方は、彼のことを「いたずら坊主」と呼んでいた
マヴリーキー・シメルツォフ
(P330)分署長(P362)モークロエに急行させた
ワルヴィンスキー
(P352)検事、行政監察医。ペテルブルグからこの町に着任したばかりの青年医師で、ペテルブルグの医学アカデミーをめざましい成績で卒業した一人だった(P363)病気にかかっている下男のスメルジャコフの容態に、ひどく興味をもったのである
オリガ
(P354)マカーロフ署長の長女
フォマ
(P358)おりしも、この夜、隣家には宿なしのフォマーが泊まっていた
書記
(P367)狩猟服に似た、それもかなり着古した背広を着た赤ら顔の青年が陣どっていた。彼の前には、インクつぼと紙が置かれていた。この男は、予審判事が連れてきた書記だった
ディオゲネスのランプ
(P378)賢者の象徴