新書365冊|宮崎哲弥|朝日新書|2007/01/25-02/13
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いいバランスで新書を選ぶことができる。良書である
- 解体『新書』
- (P3)『諸君!』連載期間:2002/01月号〜2003/06月号
- 『今月の新書』完全読破
- (P3)『諸君!』連載期間:2003/07月号〜2006/03月号
(P4)『哲学の復興』梅原猛(講談社現代新書)、『未来の思想』小松左京(中公新書)、『認識とパタン』渡辺慧(岩波新書)、『自由主義の再検討』藤原保信(岩波新書)
- 『アナーキズム──名著でたどる日本思想入門』、『ナショナリズム──名著でたどる日本思想入門』浅羽通明(ちくま新書)
- (P20)それらが「いかに有用であったか/有用であり得るか」という基準で考量される
峻拒 - (P19)きっぱりとこばむこと
- ゴンゾー・クリティシズム
- (P28)→(要確認)
- 『思想なんかいらない生活』瀬古浩爾(ちくま新書)
- (P29)著者は「生きるに値しない生を、生きるに値するかのように生きる」気組みを崩さない
- 『ウィトゲンシュタインはこう考えた』鬼界彰夫(講談社現代新書)
- (P35)ウィトゲンシュタインの遺したすべてのテキストを編年的に読み解き、その思索の全過程を跡付ける試み
- 『議論のウソ』小笠原善康(講談社現代新書)
- (P38)本書の真価は、前四章において展開されたクリティカルな論法が悉く覆ってしまう可能性を示唆し、あえて読者を突き放す第五章にある
- 『文系のための数学教室』小島寛之(講談社現代新書)
- (P39)どの章も、読み手をあれよあれよという間に、現代数学の最前線近くに連れ出してしまう趣向が凝らされていて面白い
- 『論理思考の鍛え方』小林公夫(講談社現代新書)
- (P39)職業実践に不可欠な「頭の良さ」を指南
- トライレンマ
- (P42)三竦み状態
捷径 - (P44)近道。早道。手っ取り早い方法。便宜的な方法
- 『テロ──現代暴力論』加藤朗(中公新書)
- (P45)同じ加藤の名著『現代戦争論』(中公新書)に引き続く、二十一世紀に主流となる戦争像を描く書として読まれるべきである
暴戻 - (P49)荒々しく道理にそむいていること。残酷で徳義にもとること。また、そのさま
- リバタリアニズム
- (P51)市場機構重視の経済思想、個人の自由に至上価値を認める政治哲学。アメリカ保守思想の一本の柱とされ、もう一本は伝統主義である
- 『歴史認識を乗り越える』小倉紀蔵(講談社現代新書)
- (P65)現実的、物理的な〈上位/下位〉、仮想的、心理的な〈優位/劣位〉という二本の評価軸
- 『常識「日本の安全保障」』日本の論点編集部編(文春新書)
- (P73)この国の、とくに体制批判派の言論人の最大の弱点は、統治=管理(ガヴァナンス)という発想に欠けることだ
- 『パレスチナ』
芝生瑞和 (文春新書) - (P74)パレスティナ問題はイラク情勢とも密接に絡んでいる
- 『在日・強制連行の神話』鄭大均(文春新書)
- (P76)鄭は「被害者アイデンティティに人生の根拠と動機を見いだしている人間には、自己責任の感覚がない」と述べている
- 『判断力はどうすれば身につくのか──アメリカの有権者教育レポート』横江公美(PHP新書)
- (P80)争点の見極め、判断のための情報収集、比較衡量、討議など、意思決定の技術を徹底的に叩き込む教育法
- 『人間にとって法とは何か』橋爪大三郎(PHP新書)
- (P102)本書の目的は、法的思考の開発や訓練ではなく、法現象の原理に関する最低限の常識の共有にある
- 『自由とは何か』佐伯啓思(講談社現代新書)
- (P106)佐伯によれば、正義とは仮説に過ぎないのだ
- 『父と娘の法入門』大村敦志(岩波ジュニア新書)
- (P119)法と生活感覚とのフィードバック・ループの土台を造成せんとする本書はまさしく「生活民法」の実践の一環なのだ
- 『歴史学ってなんだ?』小田中直樹(PHP新書)
- (P135)「通常科学」性が「コモン・センス」を基礎づける。この組み合せこそが新しい
- 『短編小説を読もう』阿刀田高(岩波ジュニア新書)
- (P160)上質の読書エッセイとしても楽しめる
- 『ファスト風土化する日本』三浦
展 (洋泉社新書y) - (P165)ところがこの四半世紀ほどのあいだに、日本各地で社会のエコシステムが決定的に破壊されてしまった
- 『未熟者の天下』野村一夫(青春新書インテリジェンス)
- (P182)大人論から公共的な社交空間の構想へと向かう行論は確かに巧妙で魅力的だが、それ以上に各論に鏤められた洞見が素晴らしい
- 『狂気と犯罪』芹沢一也(講談社+α新書)
- (P186)われわれの刑事裁判は、医学的なものに浸食されているのである
- 『死生観を問いなおす』広井良典(ちくま新書)
- (P195)数年に一回くらいの確率で、真に本質的なことだけが説かれている書物に出会う
- 『私の臓器はだれのものですか』生駒孝彰(NHK生活人新書)
- (P199)さらに日本/アメリカという縦軸に直交する、臓器移植/妊娠中絶という横軸が設定されており、一層立体感のある状況把握が可能になっている
- 『肉体不平等』石井政之(平凡社新書)
- (P205)本書はボディイメージという自意識の臨界の謎に迫る名著である
- 『もう牛を食べても安心か』福岡伸一(文春新書)
- (P208)それは、あえて図式的にいえば、関係論的、情報理論的な生命観、循環論的な自然観である
- 上木する
- (P212)書物を出版すること。
上梓 - 『自然をつかむ話7話』木村龍治(岩波ジュニア新書)
- (P215)こんな副読本を存分に享受できる少年は本当に幸せだ
- 『なんでも測定団が行く』武蔵工業大学編(講談社ブルーバックス)
- (P219)「測る」視座から捉え直される森羅万象論
- 『「心の専門家」はいらない』小沢牧子(洋泉社新書y)
- (P222)冒頭にもみた通り、心は実体ではなく、日常生活の人間関係のなかにおける仮説である
- 『行動分析入門──ヒトの行動の思いがけない理由』杉山尚子(集英社新書)
- (P227)マンド、タクト、イントラヴァーバル(内言語)、エコーイック(反響)といった独自の用語を駆使し、錯綜したスキナーの言語論が、手際よく解きほぐされている
- 『がんというミステリー』宮田親平(文春新書)
- (P241)がん発生は老化と同様、「多段階における、つまり長期にわたる突然変異の集積」に他ならないことがわかったからである
- 『精子の話』毛利秀雄(岩波新書)
- (P243)精子が寄生虫扱いされた黎明期から、その多様性がわかってきた
- 『マンガ サイコセラピー入門』ナイジェル・C・ベンソン+ボリン・V・ルーン(講談社ブルーバックス)
- (P243)セラピーの危険性や限界、セラピスト倫理にもページが割かれていてフェアだ
- 岩月謙司
- (P243)似非カウンセラー
- 『隠すマスコミ、騙されるマスコミ』小林雅一(文春新書)
- (P250)ポップ感覚いっぱいの、明るいけど軽くないメディア批評の登場である
- 『日本はどう報じられているか』石澤靖治編(新潮新書)
- (P252)なぜビン・ラーディンは「9・11」に先立つインタヴューで「ヒロシマ」に論及したのか
- 法匪の説
- (P254)法律の匪賊。法律の文理解釈にのみ固執し、結果として困った状況を引き起こしてしまう人たち
- ピースミール
- (P260)それ自体としては小さな問題をひとつひとつ解決してゆくことによって、ある目的を達成しようとする社会科学の方法。K=ポッパーが、歴史主義に代わる方法として提唱。漸次的社会技術。ピースミールエンジニアリング
- 『死刑執行人サンソン』安達正勝(集英社新書)
- (P262)この斬首装置(ギロチン)は、一般に医師で国会議員のギヨタンが考案したとされているが、その設計にはサンソンも関わり、何とルイ十六世までが刃の形状について助言したという
- 亀鑑を示す
- (P263)人のおこないの手本。模範
- 『ヒトはなぜペットを食べないか』山内
昶 (文春新書) - (P268)さらに読み進むと、人と獣、食と性愛の差異すらも覚束(おぼつか)なくなっていく
- 『関西赤貧古本道』山本善行(新潮新書)
- (P273)値段と真価の落差を解する者だけが享受できる孤独な悦楽
- 『日本はなぜ敗れるのか──敗因21ヶ条』山本七平(角川Oneテーマ21)
- (P276)そのラディカルさ、徹底性は、丸山眞男の論考すら遠く及ばない
- 『西洋音楽史』岡田暁生(中公新書)
- (P279)本書は、その(「クラシック音楽」という奇異なジャンルの)自明性を歴史性に還元する一方で、歴史のなかから「クラシック音楽」の必然性の根拠を再び掴み出すことに成功している
- だが旨い!
- (P284)被差別部落の食べ物だが旨い、という意味
- 『さまよう死生観 宗教の力』久保田展弘(文春新書)
- (P294)教皇をはじめとする、キリスト者たちは、こうした仏教のダイナミックスや柔靱(じゅうじん)性を十分に理解できていないように思われる
- 『ブッダとそのダンマ』B.R.アンベードカル(光文社新書)
- (P298)神や霊魂の否定はともかく、輪廻転生まで否定する『ブッダとそのダンマ』は、彼らからすれば異端の書でしかなかったのだ
- 『いきなりはじめる浄土真宗』内田
樹 +釈徹宗(インターネット持仏堂) - (P300)とくに一巻目では、真宗の教義にはほとんど触れられず、仏教の中核を射抜く議論が展開されている
- 『伊勢神宮──東アジアのアマテラス』千田稔(中公新書)
- (P315)伊勢神宮は古代におけるグローバル・スタンダードの先端だったのだ
防遏 - (P333)ふせぎとめること。防止