情報のさばき方──新聞記者の実戦ヒント|外岡秀俊|朝日新書|2006/11/07-11/14

情報のさばき方―新聞記者の実戦ヒント (朝日新書)|P245|自|4
潔に要点がまとまっているので、速読しやすい。新聞みたいな新書だ
(P5)基本原則一: 情報力の基本はインデックス情報である。
(P5)基本原則二: 次に重要な情報力の基本は自分の位置情報である。
(P5)基本原則三: 膨大な情報を管理するコツは、情報管理の方法をできるだけ簡単にすることである。
(P6)基本原則四: 情報は現場や現物にあたり、判断にあたっては常に現場におろして考える。
(P6)基本原則五: 情報発信者の意図やメディアのからくりを知り、偏り(バイアス)を取り除く。

インデックス情報
(P22)どこに行けば、誰に聞けば確かな情報を得られるのかという情報。情報についての情報
疋田桂一郎
(P22)朝日新聞社会部。論説委員として1970年〜1973年にかけて「天声人語」を担当。いろんな伝説

(P23)「すでに読者が知っていることを七割書け。ニュース部分は三割でいい」

大宅壮一文庫
(P30)東京都世田谷区八幡山。人名・件名別420万件の索引

(P44)新しい土地に行くと、まず周辺から始める

田岡俊次
(P46)朝日新聞社会部。軍事を学ぶ要諦は「地理と歴史」

(P51)メモは言葉の記録ではなく、取材ポイントの要録
(P67)「人は、聞き手が知っている程度に応じて話をする」、あるいは、「人は相手が知らなければ、話をしない」

インタビューの事前準備
(P70)設問50問前後→ABCD大項目→イロハニ中項目→1234小項目
西側情報筋
(P81)日本人大使館から聞いた話
消息筋
(P81)同業他社の外国人特派員から聞いた話
観測筋
(P81)自分の見方
足立公一郎
(P89)横浜支局長

(P93)「予断をもたない」「仮説を立てろ」

弥縫策(ひほうさく)
(P128)一時的に取り繕う策
「pro」と「con」
(P117)「賛成」と「反対」。情勢分析の手法(P121)1.各項目には、できるだけ「事実」や「情報」を書き、推測や憶測はまじえない。2.初めからどちらかの結論を立てて議論を誘導するのではなく、あくまで価値中立を厳守する。3.各論点ごとに対照できるように表をつくる。相手の論点に対する主張や事実がなければ、空白のままにしておく。
選択肢(オプション)
(P128)1.「現状維持」という項目が含まれる 2.「想定される限りの可能性を網羅した一覧表」 3.政策決定は一連のオプションの連鎖であり、この枝分かれにより論理のプロセスが一目でわかる
情報分析の基本原則
(P141)情報は方針決定から独立させる。不利な情報へ注意を向ける。希望的観測を情報へ投影しない。常に情報の評価・精度を確認する。
スピン・ドクター
(P158)マスメディア出身の側近がタブロイド紙に特ダネをリークする
サウンド・バイト
(P158)短い、印象的なコメントは、テレビニュースで繰り返し報じられやすい
菅原伸郎
(P160)東京本社旧学芸部家庭面

(P171)『ドキュメント戦争広告代理店』高木徹講談社

戦争宣伝10のレトリック
(P171)『戦争プロパガンダ』アンヌ・モレリ、永田千奈:訳(草思社
ルーズリーフに一日一行
(P181)会った人、行った場所、食べたもので一行

(P191)「一報をつかんだら、まずデスク(次長)に知らせろ」

情報の判断原則
(P193)1.検証可能性→内容+情報源 2.当事者の反論を保証 3.常に基本事実の品質を保証

(P205)1.文章の要約を冒頭に書く。2.文章は複文を少なくし、センテンスはできるだけ短くする。3.文章の中に多くの数字を詰め込まない。数字はできるだけ文章で説明する。必要な数字は図表化するなどした文章外に押しだし、簡略化する。4.結論は、冒頭の要約と合致する内容にする。

平面図、立面図、側面図
(P215)文章の設計図を書く。平面図……本筋、間取り、広さ(現在)。立面図……本筋を補足する解説、背景(過去)。側面図……本筋が及ぼす影響範囲(未来)。
三角測量
(P226)1970年代以降、事実をもとに、臨場感あふれる筆致で情景を描く「ニュージャーナリズム」というジャンルが確立(P227)二点以上の周辺取材である一点を活写する
デジタル革命の特徴
(P235)「時間と空間の制約の消失」。「検索力」の増大。「転写性」。「発信力」の増大
デジタル革命の問題
(P236)「優先度の崩壊」。「ない情報」がある。「情報の真正さ」を見極めることが難しくなった。「デジタル以前」と「デジタルのみ」間のデジタル・ディバイド