暴君ハバネロラヴ

ハトの『暴君ハバネロ』がたいそうお気に入りです。雑誌に掲載されていたとかwebでその評判を読んだとか、僕の嗜好は主に文字ベースの二次情報に大きく左右されるので、このハバネロもおそらく中田関係の雑誌記事から知ったはずです。プロサッカープレイヤーである世界の中田にはさして興味はありませんが、東ハト役員としての中田が、新製品『暴君ハバネロ』のパッケージ案を前にさすがにサングラスを外してウ〜ンと腕組みしながら、「このハバネロキャラの“怒りマーク”は四本よりも三本のほうがいいかなぁ」などと、もしかするとミドルパスを出すよりも真剣に悩んだかもなどと想像しながら食べると、世界の中田もけっこうイイ奴じゃないかと思ったりします。そのくらいパッケージも気に入ってます。


て、僕の職場にこのハバネロ君を導入しようと画策しました。パートのおばさんは「ま、ババネロだなんて……、あらハバネロなのね。やぁだ“ばば”って言葉に反応しちゃったじゃない」と言い、通りがかりの辛さに弱い若人は輪っかの十分の一を口に入れただけで「あ、こひらへべふ、こルは」と言い、結局食べているのは僕ひとりでした。さすがギネスに載る(と袋に書いてある)ほどの辛さですから、いまだに辛さに慣れるということがありません。体調によっては気持ち悪くなることもあるでしょう。さらにこのまま毎日食べ続けるうちに唐辛子中毒にならないとも限りません(『続麻雀放浪記』のドサ健主人公のように)。今のところ僕の辛閾値はやや高めに維持されていますが、過去の汚点の一つに、いきつけのラーメン屋ですりおろしニンニクとトウバンジャンを自らてんこ盛りにしておきながら完食できず、泣きながらゴゴゴメンナサイと残してフェードアウトした悲しい記憶がありますから、唐辛子系にはまったく油断がなりません。とはいえ、買ったばかりのプレステ2ゲーム『戦国無双』を奥さんがプレイするのを隣で眺めつつ、「カプサイシンカプサイシン」と頭の中で(なんとなく“燃焼系”のCM歌の感じで)歌いながら、今日も飽きもせず『暴君ハバネロ』をパクパク食べている僕でした。