東京伝説8 溺れる街の怖い話|平山夢明|竹書房文庫|2007/05/26-2008/06/06
|P223|自|5
人間は怖い。あんまり恐いから、うかうか外を歩いたり、内に引きこもったりすらできない
(P4)最近ではコクのあるネタが少なくなってきたというのが実感です。代わって何やら動物の喧嘩のようなものが増えてきているように思えます
- ダンベル
- (P14)「その件に関しては、未だにおふくろと話したことないなぁ」大木は頭を掻いた
- オニカサゴ
- (P36)胸元まで大きくざっくりと開いたセーターに、尻たぼが見えるようなホットパンツ姿の女が駆け寄ってきた(如月ジュン)(P39)あの時姿を見せたジュンも、デビューしたという話を聞かない
- ブラシ刑
- (P40)(痛くて全部通して読めない。どんなに体調がよく、晴れたさわやかな日でも、全部を通して読めない。実はラストを知らない)
- 近道
- (P70)躯の前に死んだ犬をぶらさげてもち、腰にも前に猫を二匹、横にも後ろにもぶらさげている。袋に見えたのは、それらが全部、躯を真っぷたつされて内臓が溢れていたからであった。男は手にした包丁で自分の髪の毛をギシギシと音をさせて切ると、口にほおばった。「けっこんしろ」
- 石のおっちゃん
- (P78)中学になると、その時のひとりが放火で捕まった
- グリコ男
- (P82)頭蓋骨の硬さはなかった。まるで砂をまぶした豆腐に手を突っ込んだように手がのべっと埋まった。とんでもない感触だったと
外科 は言う - 蚊
- (P147)「バシ!」物凄い力で男が森田さんの顔面を叩いた。彼女は意識が薄れていくなか、マスクを剥ぎ取った男が舌を伸ばして顔を
舐 め上げにくるのを感じていた - おめでとうコール
- (P170)差出人のところには名前だけ。『元気にしてます。でも……さびしいよ。さびしいな』と、絵はがきに書かれていた
- ゴヒャクエンチョーダイ
- (P180)「それは彼の魂の緒です。渡せば彼は銭湯に入り、戻っては来ません」婦長は彼女らに、よくあることだと告げた。「人は意識とは別のところで生きる戦いをしています。そうしたものが独特の葛藤となって夢に現れ、理解しやすい形に翻訳されるのです。渡してはいけません。また口外してもいけません。特にお見舞いの親族に伝えてはいけません」
- 雪山
- (P214)あの山にはあれ以降、一度も行っていない。何かが起きるような気がするのだという。「やつは霊になってるはずだからね。どう考えても今度はこっちのほうが分が悪いもの」
- 風呂ぶた
- (P222)すべて<おかか>だった。「あれ? おまえ、おかか大丈夫なの?」と私が訊くと、シミズは頷いた。「なんか今週から解禁になったんです」「カイキン?」「食べて良いって。もう我慢してなくて良いからって突然」