感受性とチャネル

くは自分の行動に根拠を与えることができない。根拠を与えることが、ひどくみっともないことだと考えている。その代わり、ありもしない他人の根拠を勝手に想像できる。


くは日焼けとかシミを病気の一種だと考える。いくら黒く焼けた肌も美白すればしだいに白くなってゆく。それと同じ程度に、妊娠も病気の一種だと考えている。それはたとえば「中出ししていい?」と聞くことだ。また“安全日”とか“ゴムなし”なども、妊娠という病気にかからぬようにセックスするための予防方法なのだ。ほら彼女も「大丈夫」って言ってる。


くは感受性が弱いから、悪い人ばかり目に入る。タバコを吸いながら歩道を走るスクーター。飲み終わった空缶をそこらじゅうに置きっぱなしにする。犬の糞もだ。そんな世界に住んでいるから、ぼくも世界に合わせて同じ動作を真似ることしかできない。


くは、宗教のような非論理的なものは拒否する。UFOや心霊現象のような非論理的なものを無条件に信じる。